窮奇 | 戻る |
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彼岸ノ者・
ハサミを凶器とした切り裂き魔。連続殺人鬼として警察に指名手配されている。 主にハサミを使った暗殺を行う。被害者の遺体に残る頸動脈と気管まで達する 深い傷口は、殺傷用ではないハサミの仕業とは思えないほど。 |
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闇深い夜の底。湖底は
湖中の墓場に跳躍する影。 音も無く。 墓石の間隙、彼は空中をすり抜けていく。 黒衣に包まれた長躯は体操選手のように軽やかな身のこなしで翻り、 重力を感じさせない浮遊は水中と見紛うばかり。 水中、さにあらず。 だが────今宵は朧月夜。 重力を無くす幻想の一つや二つ、起こり得てしまうよな妖しげな夜。 こんな朧月夜には、幻想が良く似合っていた。 |