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彼岸ノ者・ カラス

 七年前。国立病院で入院患者、医師・看護士等の職員が大量殺戮される事件が発生。
ほとんどの死体は肉塊と化し、そうでなければ死体が粉々で発見された。  犯人は自ら“彼岸ノ者”と名乗り、黒い外套をまとった目撃情報から通称“烏”と呼ばれるようになった。

 その異様な死体は余りにも謎めいていて、未だに手口が解明されていない。
 国籍不明、年齢不明、性別不明。
 警察庁捜査本部は便宜上、「不可解な手口による常軌を逸した死体破壊を行う容疑者」 に彼岸ノ者という呼称を与えた。

 裁判所が彼岸ノ者認定権限を持って以降、実際に認定されたのは “カラス” “窮奇カマイタチ” の二例のみである。
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